この記事では一次関数の変域の変域について解説していきます!
前編では主に変域や不等号の前提知識について解説します。
後編では一次関数のxとyの変域の解き方の解説をしています。
変域とは
変域とは「大小関係で作る数の範囲」です。
「1から10」、「-2から-8」、「-4から7」のような数字の範囲を
数学のルールで表したのが変域です。
変域では文字(変数)と不等号(大小)を使って範囲を表します。
変域の表し方は3つ
変域は「大小関係で作る数の範囲」と言いましたが、3つの表現方法があります。
- 範囲内の「最小」で表す。 例〈50<x〉 xは50より大きい
- 範囲内の「最大」で表す。 例〈x<100〉xは100より小さい
- 範囲内の「最小」と「最大」で表す。 例〈50<x<100〉xは50より大きく、100より小さい
文字と不等号を使ってこれらを表現することになります。
不等号がわからないと、問題が解けませんので、
少しおさらいしてみましょう。
不等号
不等号とは、大小関係を表す、くの字をした記号です。
- A<B 【意味:AはBより小さい。AはB未満。】
- A≦B 【意味:AはB以下。】
- A>B 【意味:AはBより大きい。AはBを超過。】
- A≧B 【意味:AはB以上。】
不等号は、A<Bのように、
折れ曲がっている側が小さく、開いている側が大きいことを表現します。
不等号の向き
A<B = B>A
不等号には向きがありますが、
大小関係が合っていれば、どちら向きでもOKです。
B<A
と書かないように注意しましょう。
不等号は
A<B、A≦B、この向きで使うのがオススメです。
なぜかというと、
左側が小さく、右側が大きいのは数直線の考え方と似ていて、
大小関係が直感的に分かりやすいからです。
<と≦の違い
< と≦のように、不等号は = がついているかどうかで意味が変わります。
「Aさんの年齢<20歳」、「Aさんの年齢≦20歳」で比較してみましょう。
「Aさんの年齢<20歳」
Aさんの年齢は20歳未満です。
Aさんの年齢は0歳かもしれないし、
19歳かもしれない。
20歳になる10秒前かもしれないが、
20歳ではない。
A<B (AはB未満)
「Aさんの年齢≦20歳」
Aさんの年齢は20歳以下です。
Aさんの年齢は0歳かもしれないし、
19歳かもしれない。
20歳の可能性もある。
A≦B(AはB以下)
このように不等号に=がつくかどうかで、意味が変わるということに気をつけましょう。
また、>と≧でも同じことが言えます。
「Aさんの年齢>20歳」
Aさんの年齢は20歳より大きいです。
Aさんの年齢は21歳かもしれないし、
30歳かもしれない。
20歳ではない。
A>B (AはBより大きい)
「Aさんの年齢≧20歳」
Aさんの年齢は20歳以上です。
Aさんの年齢は21歳かもしれないし、
30歳かもしれない。
20歳の可能性もある。
A≧B(AはB以上)
これらの例のように、不等号の種類によって、
その数字を「含む」か「含まない」かが変わります。
変域の書き方
変域は以下のような3つで表現できるということでした。
- 範囲内の「最小の数」で表す。 例:〇〇は50より大きい
- 範囲内の「最大の数」で表す。 例:〇〇は100より小さい
- 範囲内の「最小の数」と「最大の数」で表す。 例:〇〇は50より大きく、100より小さい
これらを数直線を使って変域を解説します。
数直線やグラフの見方として、
数直線上の○はその値を「含まない」
数直線上の●はその値を「含む」ものとして使っています。
「最小」で表す範囲
2<x 「xは2より大きい」
- xの範囲は2を「含まない」。
- 2<x は x>2 と同じ意味です。
2≦x xは2以上
- xの範囲は2を「含む」。
- 2<xは2>x と同じ意味です。
2<xは2を含みません。表現が難しいですが、2.000…001以上という感じでしょうか。
「最大」で表す範囲
x<2 xは2より小さい
- xの範囲は2を「含まない」。
- x>2と同じ意味です。
x≦2 xは2以下
- xの範囲は2を「含む」。
- x>2と同じ意味です。
x<2は2を含みません。1.999…999以下という感じです。
「最小」と「最大」で表す範囲
一次関数の問題ではこのタイプがよく出るので、しっかり覚えましょう。
-2<x<2 「xは-2より大きく、2より小さい」
- xの範囲は-2と2を「含まない」。
- 2>x>-2と同じ意味です。
-2≦x≦2 「xは-2以上、2以下」
- xの範囲は-2と2を「含む」。
- 2≧x≧-2と同じ意味です。
また、以下のように2種類の不等号を組み合わせる場合があります。
-2<x≦2「xは-2より大きく、2以下」
- -2は「含まない」が、2を「含む」。
- 2≧x>-2は同じ意味です。
-2≦x<2「xは-2以上、2未満」
- -2を「含む」が、2は「含まない」。
- 2>x≧-2は同じ意味です。
これらも同様に不等号の種類によって、示す範囲が変わります。
まとめ
変域のポイントは大小関係と向を合わせることと、
不等号の種類を間違えないことです!
後編では、一次関数の変域問題について解説していきます。
先ほどのポイントに注意ながら問題に取り組んでみてください。
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